
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』愛読者にもオススメ
これはタイガーマスクからのクリスマスプレゼントか!? amazonの電子書籍Kindleでレジェンド漫画殿堂入り(ワタシが認定)作品『男の星座』がなんと一冊11円、全9巻99円で発売中という、金閣寺とかの金箔を折り紙の金色の値段で売っているようなお買い得セールが開催されている。(2016年12月22日で終了して通常価格の一冊¥432に‥‥Kindle Unlimitedな人は\0)
どんな漫画かというと、amazon掲載の紹介分が非常に良くまとめられているので手抜きのようですが、まんま引用します。ワタシがこの作品の紹介文を書くと思い入れが膨張し過ぎて短くまとめられないので‥‥。
昭和29年12月22日、力道山対木村政彦による伝説の“プロレス巌流島の決闘”を観るため、およそ1万5千の大観衆が蔵前国技館につめかけていた――。これは、劇画原作者・梶原一騎の遺作である。
そして、「巨人の星」「あしたのジョー」「タイガーマスク」「空手バカ一代」をはじめとする代表作の母胎ともよぶべき自伝的コミックである。力道山や大山倍達、アントニオ猪木など様々な男たちが登場し、プロレス界、芸能界の知られざるエピソードが明かされる。これぞ、引退作にして絶筆の一騎人生劇場!
一巻のオープニングはこんな感じですかな‥‥。
日本プロレス史上最大の謎の試合と呼ばれる「力道山vs木村政彦」戦。
日本最強の男を決する名勝負を期待して国技館に超満員の観客が詰め掛けたが、その期待を裏切るかのように、1Rから力道山の一方的な攻勢となり、木村政彦はなすすべもなく無残なKO負けを喫する‥‥。
この伝説の試合を、国技館の観客席で固唾を呑んで見守っていた高校生がいた。
梶一太こと、のちの梶原一騎である。
柔道少年だった彼の想いは打ち砕かれ、呆然と立ちすくむ‥‥。
だがそこで、世紀の一戦を制した力道山にリングサイドから挑みかかる男が現れた。
当時まだ無名の空手家に過ぎなかった大山倍達が、力道山に対戦を表明したのである。
ここから日本のプロレス・格闘技界は、このふたつの巨星の巨大な引力に巻き込まれながら動いていくことになる‥‥。
力道山の時代からの日本のプロレス格闘技界、球界、アウトローの世界に作家として足を踏み入れ、「星」になること、男になることを目指す青臭く泥臭い梶原一騎の「自伝」青春録なんですが、自伝といっても梶原作品だからどこまで事実なんだろうなァ? ‥‥と推測しながら読むのもアリだし、「細けぇことはいいんだよ」と梶原節に酔い痴れるのもよし。
正史である『三國志』と、歴史エンタメ小説である『三國志演義』の違いようなもので、いわば『梶原一騎演義』ともいうべき自伝といえましょうか。
筆者が今まで読んだマンガ、いや本というジャンルの中でも、「読み始めたら止まらない」作品の最高クラスに位置するほどの面白さだと思っております。
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上巻) [ 増田俊也 ]
「過剰過ぎる」生き方しかできない男たちの墓碑銘であり鎮魂歌ともいうべき作品
『男の星座』が成功しているのは、作画が原田久仁信先生だからこそ。「プロレススーパースター列伝」で実在の人物を描く上手さを梶原一騎が気に入り、自ら指名したという逸話をどこかで読んだ記憶があります。
KIMURA 〜木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか〜 0【電子書籍】[ 増田俊也 ]
また、「シグルイ」的な武芸者の因縁譚を読みたい方にもお奨めかも。木村政彦の栄光と没落の陰影は、古の武芸者を彷彿とさせるものがあります。
原本の一巻巻頭の「さらば! 友よ!」という梶原一騎直筆の挨拶と、9巻巻末の「さらばアニキ」が収録されていないのは残念至極ではあるものの、「ゴ―ジャスな最後の晩餐に堪能せよ!」と言い切るだけの面白さが横溢!
伊達直人の中の人だった人も、この作品を全巻詰めたランドセルを小学生を送れば、学童にとってもさぞかし人生勉強になるに違いないであろう‥‥。
このマンガのみならず梶原一騎についてはまだまだ書きたいことが沢山ありますが、多すぎてまとまらないので、とりあえず「未完」として一旦PCをシャットダウンすることにさせていただきやす(一旦筆を置く、の意)。
プロレススーパースター列伝【デジタルリマスター】 11【電子書籍】[ 原田久仁信 ]
シグルイ 12【電子書籍】[ 山口貴由 ]