40過ぎて「よしもとのお笑い作家学校」に入ってみた【1】

「死なない限り問題はない」ソウイフモノニワタシハナリタイ

 

あれは3月の終わり頃だったか。ネットのニュースサイトを見ていたら、「よしもと芸人が吉本本社で講演」という記事が出ていたので何気なくクリックしたら、「よしもとクリエイティブカレッジの授業の一環として、芸人たちが特別講義を行った」という内容であった。

よしもとが専門学校のような講座をやっていることは知っていたけれど、その中に「構成作家コース」なるものがあるという。

自分(以下、自分=当ブログ執筆者)は20歳から2~3年ほど、芸人志望者と組んで漫才やコントの台本を書いて「お笑いの作家」を目指していた時期があるので、どんな授業をやっているのか興味をソソられて公式サイトを見たところ、「翌年度生募集中!」とあり、受付締め切りまで2週間ほどに迫っていた。

とりあえず興味半分でパンフレットを取り寄せ申請したら、届いたパンフレットは思ったよりちゃんとした作りで、学校法人認可の専門学校のものと比較しても見劣りしない出来だったような記憶がある。

これは思ったよりちゃんとした授業をやっているのかなと思いながら眺めていると、入学金が10万、授業料が40万とあり、これも専門学校並みである。

しかし、これを「投資」と考えれば、払ったお金以上のメリットが得られれば通ってもいいかも‥‥。

ふと思い浮かんだお笑いのネタや、雑誌や書籍の企画を思いついても、「これはテレビでやったほうが面白いだろうな」と立ち消えるアイディアを持て余していた自分としては、これはいい機会かも‥‥と思い始めた。

せっかく思い浮かんでも、使い道がなく朽ち果ててしまった末に供養もできないアイディアを、いくらか成仏させてやることができるかも知れない‥‥。

そんなことを考えているうちに、じゃあ思い切って入学してみるかなと気持ちが傾いていったが、50万円という金額のみならず、週2回2時間以上の授業+新宿まで往復する時間と労力を考えると即断できず(今さらそんなところに通うよりも、そのぶん今やってる仕事を頑張ったほうがいいんじゃねーの? といった現実的な考え)、結局ギリギリになって入学金を支払ったのであった。

最終的に決断した理由としては、「まあ、上手い事いかなくても、ライターとしてのネタ話として何かの仕事に繋がればいいか」といった感じでしょうか。

出版業界のフリーランスは、「最近、何か面白いことありました?」と編集者に問われたら、何かしら興味をソソるようなネタを仕込んでおくべき努力義務が求められているのです。

最初から脱線して申し訳ないが、漫画家の西原理恵子さんはFXを始めて2週間で400万円溶かした(損した)経験があることで有名です。西原さんはその後、その体験を面白おかしく自著でネタにして、度々語っています。

つまり、西原さんは「FXを始めて2週間で400万円溶かした女性漫画家」という「多くの人が興味を持つ面白エピソード」を手に入れ、そのキャラに一層磨きをかけてブランド力を向上させ、結果として失った金額以上の価値を手に入れたことになった(と思う)。

もちろん、最初から計算してやったわけではないでしょうが、転んでもタダでは起きない精神というか、死なない限りはどんな失敗でもネタになるのが、こういった職業の特性と申せましょうか。

そういう意味では、お笑い芸人とライターや作家は類似する職業なのかもしれません。