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薩摩硫黄島の熊野三山と『平家物語』 放送大学テレビ特別講義

time 2016/09/02

薩摩硫黄島の熊野三山と『平家物語』 放送大学テレビ特別講義

エンタメ視点で見ても掘り出しモノがある
放送大学特別講義
浅見光彦シリーズを彷彿とさせるような
大自然の島で『平家物語』の謎を解き明かす!!

放送大学はタダで視聴できるので番組表をチェックしているのですが、その中でも“特別講義”というプログラムには興味深いものが多く、「おっ、コレは面白そう!!」と胸を高鳴らせるタイトルがあったりします。

昨年初放送されたこの特別講義もその一つで、日本史の謎を解き明かすドキュメンタリーともいうべき興味深く、かつエンタメとしても楽しめる内容で、結構頻繁に再放送されてます。

平家の栄華と滅亡を描いた古典文学『平家物語』には藤原成経、平康頼、俊寛という三人が平清盛に謀反を企てた(とされた?)罪で“鬼界ヶ島”に島流しにされるエピソードがあり、能や歌舞伎の題材にもなっている。(いや、自分も正直詳しくないんですけどね‥‥)。

昔からこの三人が流された“鬼界ヶ島”とはどこの島なのかという議論があり、いくつかの推定地が挙げられていたが、その中でも薩摩硫黄島は有力候補だった。しかし、そもそも本当に史実なのかと疑問視する研究者もいたという。

本講義のナビゲーター野中哲照教授もその謎を探っていた一人だが、以前は“平家物語の鬼界ヶ島の描写の多くは作者が想像で書いたものではないか”と懐疑的だった。だが、薩摩硫黄島を訪れて探索すると、この島こそ“鬼界ヶ島”であると確信したという。

その謎解きの手がかりとなったのが、“都に帰る”という“大願”を祈念するために島流しされた三人が勧請した熊野神社とその信仰。島に今も残る熊野神社と、熊野の地勢を島内に模した河川、滝などを比定していき、当時彼らが住んでいた場所まで探り当てる。

薩摩硫黄島のダイナミックな自然のなかを歩きまわり、元ゼミ生の女性アシスタントに歴史の謎を解説しつつ自説を検証していく姿は、まるで“浅見光彦シリーズ”をドキュメンタリー作品として見ているようなワクワク感があります。もちろん、さすがに殺人事件は絡みませんヨ。

薩摩硫黄島は当時の都人にとって、「日本最果ての島」という認識だったそうで、雄大な海や自然の景色に沈んでいく夕日を日々眺めつつ、三人は熊野の神に“大願”をひとえに祈っていたのでしょう。そして、大願成就して都に帰ることができた藤原成経と平康頼、願い叶わずにこの島で果てていった俊寛それぞれの心情を思い浮かべると、なかなか泣かせるものがありますナ。
※補足
NHKの地方局が地元ドラマを創っていますが、これはミステリー仕立てのドラマの元ネタとして非常に美味しい題材ではないかと思うのだけれど‥‥。

ついでに番組中『「大願成就の島」で検索』というCMのようなテロップが出たので検索してみたら、薩摩硫黄島のサイトと、野中教授が回答している掲示板も出てきた。ついでに画像検索すると、なぜかゲーム画像が続々と出てくる。一時CMでやっていた『白猫プロジェクト』に「大願成就の島」というモノが出てくるらしく、その画面のようだ。最近は歴史に関する語句を画像検索するとやたらにゲーム画像が出てくるようになってきて、元ゲームヲタの歴史数奇としてはナントモ複雑な気分になってしまいます‥‥。

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