古代アレクサンドリア図書館と視聴覚室の収蔵資料目録

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ブッチュくんオール百科 天久聖一 タナカカツキ(著)

time 2016/09/14

ブッチュくんオール百科 天久聖一 タナカカツキ(著)

『コップのフチ子』さんを苦痢八闘(クリエイト)した
タナカカツキ氏と
日本一有名な元看守として有名な
天久聖一氏がバディーを組んだバカドリルシリーズの一冊

 

『コップのフチ子』さんがミリオンセラー商品として(本当にミリオンかどうかはテキトー)NHKで『OL人形』として紹介されたら販売元が商品名を『OL人形』に変えたというネットニュースを見て本棚から引っ張り出したのがこの本。

初版は1999年11月だからもう18年も昔の話よ‥‥(遠い目で語る)。

前に紹介した『宇宙怪物(ベム)図鑑』の時代には、人気マンガや特撮のキャラクターや世界観(?)を子供向けに解説するような『図鑑』があまた出版されており、本作はわかりやすくいうとその手の本のパロディです。

当時『ドラえもん百科』みたいな百科本がいくつか出ており、筆者も年少の頃に買ったことがあるような記憶があるが、この本は「ブッチュくん」という人気少年マンガの大百科というコンセプトで創られているわけですな。

同じ共著者によるバカドリルシリーズの一冊なので笑いの路線としては共通してますが、「ブッチュくん」の作者は「無事故無事雄」ということで藤子不二雄先生の王道キャラ設定を踏襲。でもって、ブッチュくんの設定が欲望全開キャラなので「ドラえもん」じゃなくて「オバQ」というところかミソでしょうか。

この本の紹介とはチト脱線しますが、筆者は年少の頃からドラえもんが大好きでしたが、国民的作品化に伴いついつい教育的な路線になりがちでもあったドラに対し、落語の与太郎をモデルにしたオバQの子供アナーキーな笑いもまた大好物でした。

おそらく、基本的に生真面目でともすれば「世間の要請」に応えてしまい善導教育路線になりがちな藤本先生の資質が、まだ大人気作家となる前で若さゆえの勝手気ままさで描かれたオバQでは自由闊達なギャグセンスが解き放たれていたからではないかと。

‥‥閑話休題

というわけで本書に興味ある方はアマゾンで中古本を買うか、大型新古書店の100円コーナーを地道に探すかしていただくということで、内容紹介は省きます。(ギャグ本をいちいち生真面目に解説するのもアホらしいといえばアホらしいので)。

いや、いくら個人ブログでもそれだけではやらずボッタクリのそしりを免れませんナ。ということでバカバカしさに貫かれた本書の最後に思わせぶりな「ヨン太、夏の幻影」という短編マンガがあり、コノ紹介をして終わりにさせていただきやす。

この短編では、ブッチュくんのホスト役兼マブダチであるヨン太くん(正太やのび太ポジション)が大人になった姿が描かれており、本百科の本歌である『オバQ』の後日談『劇画オバQ』へのアンサーソング(音楽的にはサイケ)であり、すべての児童~少年マンガの登場人物とかつての愛読者へのレクイエムともいえる一遍。

しかし、劇画オバQの「大人になった正ちゃん」に比して、ヨン太くんが大人になった姿はあまりに切ない。ある意味「おそ松さん」のリアルと言えなくもないけれど‥‥。ヨン太くんは児童漫画の世界から、つげ義春ワールド(しかも夢日記系)に迷い込んでしまったのか‥‥。
これを読んで思い出したのが、原作オバQにあった臨海学校に行く正ちゃんに勝手にQちゃんが付いていき、女の子になり済ましてドタバタ劇を巻き起こすという話。藤子F先生の巧みなストーリーテーリングとギャクで引き込み、ラストは「オバ子は夏の日の幻だったのさ」というセリフで締めくくられる「少年時代のある夏の日の思い出」を永久保存可能な真空パックにしたような名篇があるんですよ。(これもオッサンになってから読むと、ですが)。

マンガ原作のゲームは数あれど、藤子ワールドを舞台にした、特に目的もなくただ“子供ライフイベント”が続いていく終わり無き日常ゲームがあったら、筆者はその世界に居続けてしまい、ヨン太くんのようになってしまう自信がある。

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